２０１１年　４月１５日

八ヶ岳南麓における、中部横断自動車道建設に関する要望（２）
                                                   　

国交省関東地方整備局　社会資本整備委員会道路分科会　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　様  


前略　　　日頃より、八ヶ岳南麓地域のためにご尽力をいただき、有難うございます。

　私たちは、八ケ岳南麓の大自然と美しい景観を愛し、住む人や訪れる人にとって心地よい環境を守り、さらには経済活動とも調和した豊かな地域社会の実現を願って活動している市民団体です。２月に、中部横断自動車道建設に関する第一回目の要望を出させていただきました。

　先般、中部横断自動車道（長坂〜八千穂）第一回アンケートが実施されましたが、その間、多くの住民や別荘利用者から、中部横断自動車道（長坂−八千穂間）の必要性およびその検証の進め方について数々の疑問や危惧の声が挙がってまいりました。

　そこで、中部横断自動車道の建設評価に関わっておられる皆様方に、私たち住民の疑問や危惧をお伝えし、下記の事項を要望致したく、本状をお送りする次第です。

I　住民への説明および住民意向の把握について　
（１）北杜市民には、全く中部横断自動車道の事は知らされていません。住民への説明、情報の開示を要望します。

　国土交通省社会資本整備審議会道路分科会関東地方小委員会第1回（2010年12月2日）の議事録（28〜29ページ）では、「住民は知らされており、賛成される方が多い」との発言が記録されていますが、これは一体どこの地域を指しているのでしょうか？
北杜市住民には、山梨県からも、北杜市からも、全く説明がなされたことはありません。早急に、北杜市住民への説明の機会と場の設定を要望致します。

（２）山梨県峡北地域で、住民の中部横断自動車道の建設に対しての要望を調査したのか？
　していないのなら、調査の実施を要望します。

　地域の生活環境に大きな影響をもたらす高速自動車道の建設に際して最初にやるべきことは、基本的な住民意思の確認だと思います。アンケートのような簡便な形ではなく、きちんとした方法によって、地域住民の意向調査を行っていただきたい。

II　情報開示について
（１） 第一回アンケート結果の公表を要望します。

　アンケート結果を早急にHPで公表すること、とくにアンケート設問３および設問４に対する回答結果については、詳細内容を公表していただきたい。

（２） 国交省検討資料を北杜市各支所で希望者に配布し、広く情報開示することを要望します。

　資料が国交省ホームページに載っていることは評価しますが、パソコンで見ることができなければ、情報が開示されたことにはなりません。通信回線の環境により、資料のサイズが大きいと開くことができないのが実情です。またパソコンを所有してない人も多数いますので、HP上の情報開示だけでは却って情報格差を生む結果となります。
　住民の誰もが、北杜市各総合支所において直接資料を手に入れることができるような対応措
置を講じるよう要望致します。
　
（３） 長坂−八千穂ルート選定の経緯に関する情報開示を要望します。

　なぜ双葉JCTから長野に抜けないのでしょうか。　標高差のことがよく理由として言われますが、　現代の技術や、迂回することで、傾斜の問題は解決できると思われます。なぜ今回の提案ルートになったのか、その理由や経緯を説明していただきたい。
　　
（４） 複数ルートの検討とそれらの環境アセスメントの実施を要望します。
　国道１４１号の改善なども含めた複数のルートの検討と、それら複数ルートの環境アセスメントを実施していただきたい。

（５）影響家屋数４０〜１３０軒の根拠データの開示を要望します。

　“４０〜１３０軒”　は旧清里有料道路を利用した場合の数字ですが、新規４車線ルートの場合も含めて、影響家屋数を割り出した根拠データを開示していただきたい。

（６）費用対効果および財政負担に関しての情報開示を要望します。

　人口・車台数の予測、費用対効果の算定方法、自然や景観の破壊に関する貨幣価値換算の影響評価などについての情報を開示していただきたい。

III　高速道路建設効果の評価について
（１） 高速道建設による、損失、マイナス面効果の説明を要望します。

　八ヶ岳南麓の眺望景観と自然は、世界一流という評価があり、北杜市だけの資産ではなく、日本の国家的資産です。それらの破壊に関する損失を全く検討していません。第一回アンケートにも一切記載されていません。これは何故か。また、アンケート等に述べられている課題は、全て長野県側のものであり、中部横断自動車道の建設は、北杜市の観光施策（ゆっくりと長期滞在）とも矛盾しています。この建設による八ヶ岳南麓の自然と景観の損失、及び、観光などへのマイナス面を検討し、公表していただきたい。

IV　第二回アンケートの実施について　
　第２回アンケート用紙の配布に協力したいので、　早めに送っていただきたい。


　以上、私たちの要望へのご理解と対応について、重ねてお願い申し上げます。　そして貴官及び道路分科会関東地方小委員会でご検討の上、書面にてご回答をいただきたく、お願い申し上げます。


中部横断自動車道八ヶ岳南麓の会（以下順不同）
　世話人代表　八ヶ岳自然ガイド協会　（代表　齋藤　一紀）
	　　　　　　407-0301　山梨県北杜市高根町町清里3545
　八ヶ岳歩こう会　（事務局長　　多賀　純夫）
　八ヶ岳ネットワーク　（事務局長　中川　弘一）
　NPO法人 八ヶ岳南麓景観を考える会 （理事長　桑田愛子）
　緑のネットワーク21　（代表　向井　惠子）
　北杜市２１を考える会　（代表　小林　伸一）
　八ヶ岳エコツーリズム協会　（代表　清水　稔三）