此の物語は虚構である。       然し、 其の総てが虚偽であるとは限らない。 ____そして今、 此の地平に宵闇が訪れた・・・・・。 終焉へと疾りだす、夜の復讐劇、第七の地平線。 1.宵闇の唄 私は『誰』なのか? 記述が抜け落ちた 真っ白な其の頁を 宵闇が染めてゆく 気づけば井戸の底 空を見上げていた 抱いていた可愛い少女 口を開いた 「復讐シヨウ」と 彼女が囁く その声色は 何処か懐かしく 何の為かなんて 誰の為かなんて 憶い出せぬ儘 衝動に従った 苦痛に歪む顔 悲痛に喚く声 戦慄と後悔の中で 嗚呼 復讐は罪が故に 粛々と受け入れ給え 嘆いた処でもう手遅れさ 遂に モリから イドへ至る 七劇の幕は上がった 「七人の女優達よ!」 死せる今 幾ら憾めど 刻は既に遅く お嬢さん 君は独り 夜の旅路 彷徨う屍体 偶然に出会った物語 嗚呼 此れも運命 小さな口 七の苦悩 忘れぬ間に紡ぎなさい さぁ_____ 墓場から始まる 七つの童話 イドの底に潜む 矛盾の罠 物語の策者は 作為的な嘘で 錯落なる幻想を紡ぐ 光と闇が織り成す世界の中に 愛と憎悪が溢れる 誰かをかつて愛したような気がした 憎しみの焔は揺れ躍る 誰かに愛されたような気もした・・・・ ↑ 嗚呼 でもそれは気のせいよ ↑ キミが誰かを怨むなら その復讐に手を貸そう! 愛シイ腕ニ抱カレテ目醒メタ ・・・ モリへ至ル井戸ノ中デ ・・・ 私ハ殺意ヲ唄ウオ人形 ・・・ イドへ至ル森ノ中デ ・・・ 錏痾蛙遭嗟有合或吾会在唖逢娃婀堊 ・・・ モリへ至ル井戸ノ中デ ・・・ 宵闇ニ踊ル深紅ト漆黒ノ影 ・・・ イドへ至ル森ノ中デ ・・・ 人ヲ殺メテ ・・・ 未来奪ッタ ・・・ 奴ガ裁カレズ ・・・ 生キ延ビルナド ・・・ 赦シハシナイ ・・・ 月光に照らされて 凶行へ羽ばたいた 旋律が絡み合う夜に 嗚呼 復讐は罪が故に 粛々と受け入れ給え 嘆いたところでもう手遅れさ 終に 宵闇の此の楽団で 憾みを唄いたいなら 「屍揮者は君の味方さ!」 消える影 腕を伸ばせど 闇は既に深く お嬢さん 君の輝き 在りし日々は 過去の残照 生前に夢見た楽園 嗚呼 然れど忘却 小さな川 緋い葡萄酒 乾かぬ間に紡ぎなさい さぁ__ 死の歴史を!