美少女スイッチホッピング 第1話「鎖・跳・遭・遇」 檜山修之「天ノ川学園…無限のコズミックエナジーを秘めた、青春の学び舎。      若者達が集うその学校とは別に 『アストロスイッチ学園』が存在していた。      スイッチ達だけが知覚でき、立ち入ることのできるその学校は      歌星賢吾のカバンの中にある 賑やかな場所である」 <アストロスイッチ学園・1F廊下> ドンッ シザース「てっ!おい、気をつけろよ」 ホッピング「わっ!ご、ごごごめんなさいっ!!」 タタタタッ ガシャーン! ホッピング「あっ!か、花瓶の水が…」 ゴシゴシ <アストロスイッチ学園・洗面所> ホピ「はあ…またやっちゃった。私って何でこう、ドジでどんくさいんだろ」 ジャー ホピ「フォーゼさんと一緒に戦えて、ちょっとは変われたかなって思ってたけど…    やっぱりまだまだ ノロマな私のままみたい。    私もロケットさんやドリルさんみたいに、    強くてカッコいいスイッチになれたらなあ…」 クスクス…クスクス… ホピ「??な、なんだろ…    何かさっきからみんな、私のほう見て笑ってる気が…ふえっ?!」 ガーン! ホピ「〜〜〜!!ふ、服が後ろ前!も、もうやだぁ!」 ダダダッ <屋上前・踊り場へ向かう階段> ホピ「はあっ、恥ずかしかったあ… 私ってホント、ダメダメだよね…    こんなんじゃフォーゼさんも もう一緒に戦わせてくれないかな…」 ギシッ ギシッ ホピ「?な、何の音だろ…こんなとこに 誰かいるのかな」 ヒョイ チェーンアレイ「998!999!」 ホピ「わ、わっ?!」 チェン「1000!っと…ん?なんだお前?」 ホピ「ごごごごめんなさい!お邪魔しましたっ!!」 チェン「ああお前確か、ホッピングとかいったっけか」 ズイッ ホピ(うわわっ…お、おっきい…!) ホピ「は、はい…えと、そういうアナタは?」 チェン「俺はチェーンアレイ!アストロスイッチ一の力自慢とは俺のことよ!」 ホピ「チェ、チェーンアレイさん…あのホントすいません!    音がしたから、何だろうって思って 気になっちゃって…」 チェン「別に謝るこたねえよ。おーそだ!お前もこの部活入るか?」 ホピ「ぶ、部活?この学園、部活なんてあったんですか?」 チェン「まー俺が勝手に作った部活だからなw 部員も俺一人しかいねーし」 ホピ「あ、そ、そうなんですね…(あはは…)」 チェン「その名もっ!     『リミットブレイク部』だっ!!」 ジャジャーン! ホピ「??り、りみっとぶれいくぶ?」 チェン「おうよ!活動内容は簡単だぜ!     その名の通り、各々が自分の限界に挑戦するって部活だ」 ホピ「げ、限界に…」 チェン「で、俺は今 自分の肉体を限界まで鍛えるべく!     筋トレに励んでたってわけだ」 ホピ(こ、これ以上鍛えてどうするんだろう…) チェン「なあお前、なんか挑戦したいこととかねーのか?     それさえありゃ 入部資格バッチリだぜ!」 ホピ「え、私…ですか?    ………ん………どうせ、無理だから…」 チェン「ん?なんだ、言ってみろよ」 ホピ「…え、えと…笑わないでくれますか?」 チェン「俺が人の夢を笑うような男にみえっか?」 ホピ「あの、その…自分を、変えたいなって…」 チェン「おーいいね!でっけえ夢じゃねえか!」 ホピ「で、でもでもっ!どうしたら変われるかも わかんないし…」 チェン「何でもいいんじゃね?お前がやってみてえっ!ってことに     どんどん ぶつかっていきゃいいんだよ」 ホピ「でもっ…私って何やっても上手くいかなくて    いつも人に笑われてばっかりだから…    だから新しいこと頑張ってみたって、どうせ失敗して無駄になっちゃうから…」 チェン「無駄なことあっかよ!     失敗したって、『お前が頑張った』って事実は残るだろ?     この世に無駄なモンなんかねえって!」 ホピ(あ…フォーゼさんと同じ言葉…) ホピ「そ、そう言われれば そうかも…」 チェン「だろ?だからよ、まずは…」 ドーン! ホピ「きゃ、きゃっ?!」 チェン「うおっ、何だ?」 ドサッ クロー「くそっ、俺としたことが…」 ホピ(わっ、ひどいケガ…) チェン「おい大丈夫か?しっかりしろ、何があった?!」 クロー「お、お前らも早く逃げろ…     どうやら オカルトねーちゃんが捨てたスイッチが     暴走してやがるらしい…」 ホピ「あっ…友子さんが捨てた ゾディアーツスイッチ?!」 チェン「な、なんだかよくわかんねーが とりあえずメディカルの奴を…」 ズザァッ! ゾディアーツスイッチ「ぼろろろろろ」 ホピ「き…きゃあああああっ!!」 チェン「おうおう…こりゃまた おぞましいのが出てきたもんだ」 ホピ「あ…ああっ…」 ペタン チェン「おいおい、腰ぬかしてる場合じゃねーぞ。     さっき言ってたこと試す またとないチャンスってやつだぜ?」 ホピ「えっ…ど、どういう…」 チェン「だからよ!お前がこいつをやっつけりゃ、     ちったあ変われるんじゃねーの?」 ホピ「え、えええっ?!無理だよぉこんなの!!」 チェン「まーそうビビんなって。こいつ見た目こそアレだが     スイッチャーがいない以上 大したコズミックエナジーは持ってねえぜ。     フォーゼの力抜きでも 充分倒せるはずだ」 ホピ「で、でも…もしまたダメだったら…」 チェン「言ったろ?お前が限界まで頑張ったかどうか、それが大事なんだぜ。     結果なんか後から考えろ」 ホピ「…」 チェン「それによ!俺がついてんだから安心しろ」 ホピ「(ドキッ)え、えっ?」 チェン「失敗したって いくらでもカバーしてやるっつってんだよ!     ほらどうした、やるのかやんねえのか?」 ゾディアーツスイッチ「おろろろろろろ」 ホピ「わ、わかった…やってみます!ホッピング、オン!」 シュウン ゾディアーツスイッチ「ぶろおぉっ!!」 ブオッ ホピ「きゃっ!や、やっぱり怖いい!」 ピョン ピョン チェン「おい何やってんだ!逃げるためにモジュール出したんじゃねーだろ!」 ホピ「わ、わかってるけどお!怖いのは怖いのぉ!!」 ピョン ピョン ゾディアーツスイッチ「ふしゅるるる…」 ホピ「?!あっ、そっちは…!」 クロー「くっ…」 チェン「やべっ…!おいクロー、逃げろ!」 ゾディアーツスイッチ「ぶおおおおおっ!!」 ホピ「だ、だめえええっ!!」 ピョーン ズガッ! ゾディアーツスイッチ「ぐろろぉっ!!」 ドサァッ ホピ「あ、あいたたた…」 チェン「おーやるじゃねえか!ナイスジャンピング頭突き!」 ホピ「あはは…ちょっと痛かったけど…」 ゾディアーツスイッチ「ぶしゅるる…」 ホピ「わっ!ま、まだ来るの…?」 チェン「もういいぜ、お前は下がってな」 ホピ「えっ?チェ、チェーンアレイさん?」 チェン「お前の限界、バッチリ見せてもらったぜ。     今度は部長にも いいとこ見せさせてくれやw」 ゾディアーツスイッチ「ぐろろろろろ」 チェン「チェーンアレイ、オン!!」 シュウン ジャラァッ チェン「正義の鉄槌、食らいやがれえええ!!!」 ドゴオォォォン <屋上前の踊り場(リミットブレイク部部室)> チェン「いやーお前もやりゃ出来るじゃねえか!」 バンバン ホピ「えへへ…何かチェーンアレイさんの言葉きいてたら    頑張ってみようかなって気になってきて…    ところで何ですか、この旗?」 チェン「あん?決まってんだろ、リミットブレイク部の旗だよ!」 ババーン! 【限界なんて ぶっ壊してやれ 自分の手で!】 ホピ「え、えと、このスローガン?はいいんですけど    真ん中に私とチェーンアレイさんが描かれてるのは…」 チェン「今日のお前の勝利を称えての、部長の粋な計らいよ!     照れなくていいぜ?」 ホピ「て、照れるっていうか…(まあいっか…///)    あのそれで チェーンアレイさん」 チェン「ああそうだ。お前その『チェーンアレイさん』ってのやめようぜ」 ホピ「えっ?で、でも…」 チェン「何か長ったらしいしよ、くすぐったくなってくんだよ。     『おいそこの筋肉バカ!』とかでいいぜw」 ホピ「そ、それはちょっと…じゃあ、『チェーンさん』でいいですか?」 チェン「んーまあ、さっきよりはマシか。     んじゃホッピング、これから毎日部活に顔出せよな!」 ホピ「(ドキン)えっ…?」 チェン「なんだ、さっそくサボる気だったか?」 ホピ「いえあの、そうじゃなくて…    私あんまり 自分の名前呼ばれたことなかったから」 チェン「…?だっはっは!ホッピング、お前ホント面白い奴だな!」 ホピ「そ…そうですか?」 チェン「ほれ、手だせ手!」 ホピ「…手?」 チェン「決まってんだろ?『友情のシルシ』だよ。お前の入部記念も兼ねてな」 ホピ「あっ…は、はいっ!」 ビシ バシ… ホピ「あ、あれ…」 チェン「おま…右手と左手じゃできねーだろw」 ホピ「ご、ごめんなさいぃぃぃ!!」 チェン「だっはっは、そんな所もお前らしいぜ!ほれ、もっかい!」 ビシ バシ グッ グッ! チェン「おし、これからもよろしくな ホッピング!」 ホピ「は、はい チェーンさん!こちらこそ!」                      シュイン                    ≪美少女スイッチホッピング〓